【個人事業主 (フリーランス)】岡山市事業継続支援金の申請について

岡山市でも新型コロナウイルス感染症の影響を受け売上が減少している中小・小規模事業者向けに事業継続支援金の申請が2020年5月1日から始まりました。この支援金は、国の「持続化給付金」と重複して受給することができます。

私は個人事業主 (フリーランス・白色申告)です。小規模事業者は個人事業主を含むとあり、Q&Aに「フリーランスや副業者対象になるのか?」という問いに対して「務署に開業届を提出している個人事業主が対象となります。」とあるので、私も受給対象になると思っています。というわけで、フリーランスの視点で事業継続支援金についてまとめたいと思います。

事業継続支援金のポイント

事業継続支援金のポイントをまとめたいと思います。

  • 申請は郵送のみ
  • 支援金額は法人・個人事業主にかかわらず、従業員の数で区分
  • 支援金は使途制限無し
  • 申請後、約2週間程度での支給
  • 国の「持続化給付金」と重複して受給することができる
  • 令和2年2月~6月までのいずれか1か月の売上高が前年同月比20%以上減少していること
  • 申請期間は、令和2年5月1日(金)~令和2年11月30日(月)

一番注意しなければならないのは、比較する売上高の期間が令和2年2月~6月であることです。この期間の売上高が前年同月比で20%以上減少していないと受給対象になりません。申請期間は令和2年11月30日(月)なので余裕がある方は急ぐ必要はありません。

事業継続支援金について

支給対象者

支給対象となるのは、以下の(1)(2)の両方の要件を備えている事業者です。

(1) 主たる事業所が岡山市内にある中小企業者又は小規模事業者
(2) 令和2年2月~6月までのいずれか1か月の売上高が、前年同月比 20%以上減少していること。  

国の「持続化給付金」と重複して受給することができます。一度給付を受けた方は再度給付申請することができません。「事業所が岡山市内にある」という点についての質問がQ&Aに多数ありましたので、該当の方は読んでおくことをおすすめします。

PDF Q&A(第1版)(PDF:77KB)

中小企業者・小規模事業者の定義は下の表の通りです。

中小企業者・小規模事業者の定義
http://www.city.okayama.jp/keizai/sangyou/sangyou_t00167.html

不思議なのが岡山市のホームページには上記の定義のみしか記載されていません。実は「事業継続支援金パンフレット」と「申請書記載要領」には、「中小企業者」及び「小規模事業者」の分類の前に「支給対象となりうる者とならない者」が明記されています。この前提があって上記の表が適用されます。

”なりうる”っていう表現が役所らしいなと思いながら見ていると「個人事業主 (商工業者であること)」とあります。「商工業者って何?」「フリーランスって商工業者じゃないっぽいんだけど」ということで調べてみると、衆議院のホームページに以下のように説明がありました。

第二条 この法律において「商工業者」とは、次のいずれか一に該当する者をいう。

 一 自己の名をもつて商行為をすることを業とする者

 二 店舗その他これに類似する設備によつて物品を販売することを業とする者

 三 鉱業を営む者

 四 商法(明治三十二年法律第四十八号)第五十二条第二項の規定により会社とみなされる社団

 五 有限会社法(昭和十三年法律第七十四号)第二条の規定により商人とみなされる有限会社

2 この法律において「小規模事業者」とは、常時使用する従業員の数が二十人(商業又はサービス業を主たる事業とする事業者については、五人)以下の商工業者をいう。

フリーランスは「自己の名をもつて商行為をすることを業とする者」というあやふやな表現に含まれそうです。「支給対象とならない者」の場合はあきらめるしかないのですが、「支給対象となりうる者」で、悩んでいる方は役所の曖昧な表現に屈せず申請してみてください!

支給額

(1)20万円 対象者:中小企業者 (小規模事業者を除く) 
(2)10万円 対象者:小規模事業者 (個人事業主を含む)

支援金は使途制限無しで受給できます。ただ、課税対象になるので注意が必要です。Q&Aでは「支援金は、課税の対象になるのか」との質問に対して、以下の回答がありました。

現時点において、税務上、益金(個人事業者の場合は、総収入金額)に算入されま
す。ただし、損金(個人事業者の場合は必要経費)の方が多ければ、課税所得は生じず、結果的に課税されません。

売上が減少している事業者が対象なので課税所得は生じないで合っているのですが、売上なので内訳によっては課税対象となりえますね。例えば利益率の高い商売だったり、売上によって著しく経費が変動する商売とかです。

支給までに日数は、申請後約2週間程度を想定しているようです。

個人事業主を含むとなっていますが、フリーランスや副業者も対象になるのかといった質問がQ&Aにありました。

Q10 当該支援金は、いわゆるフリーランスや副業者も対象になるのか。
A10 税務署に開業届を提出している個人事業主が対象となります。

「税務署に開業届を提出している」という切り返し方が役所らしいなと思うんですが、なんと開業届は開始から1月以内に提出しなければなりません。

事業の開始等の事実があった日から1月以内に提出してください。

が、出さなかったからといって罰則はありません。私は開業届は当初から青色申告をするために必要な手続きと認識しています。

開業届けの提出期限は、原則的に開業してから1か月以内ですが、未提出に関する罰則は定められていません。また、「個人事業税の事業開始等申告書」については、確定申告をすると自動的に都道府県へ通知されるため、提出しない人もいるようです。

なので、事業収入があり白色申告をしていればOKなのかなと思います。

申請手続き

申請手続きは以下の書類を申請先へ郵送 (封筒の表に「岡山市事業継続支援金申請書在中」と朱書きする必要あり) にて提出します。

(1) 事業継続支援金支給申請書
(2) 上記に記載した月の売上高がわかるもの (確定申告書写し、売上台帳の写し等)
(3) 振込先の通帳写し (通帳の表面と通帳を開いた1・2ページ目の両方)
(4) 身分証明書写し (個人事業主の場合)
※(2)についてはセーフティネット4号の認定書をお持ちの方はその写しで代用できます。

確定申告書写しについて

事業継続支援金で添付する書類に「確定申告書第一表の写し」とあるのですが、疑問点があるので調べています。

2020年5月8日(金)
私は個人事業主かつ、白色申告で事業継続支援金を申請する予定なのですが、事業継続支援金で添付する書類 (確定申告書第一表の写し)について、個人事業主かつ、白色申告の場合「平成31年 (令和元年) 分の確定申告書第一表の写し」が必要になります。確定申告書は「国税庁 確定申告書等作成コーナー」にて作成し、郵送で提出しました。

確定申告書第一表の写しは、作成コーナーで出力された「控え (収受日付印なし)」のみです。この控えを確定申告書第一表の写しとして添付すればよいのか市に問い合わせました。Q&Aにて後日ホームページで回答してもらえるとのことです。

2020年5月13日(水)
5月12日に申請書記載要領とQ&A (第1版)が追加されました。一通り目を通してみましたが「確定申告書第一表の写し」としか書かれていません。しかも写しというのが原本の写しなのか控えの写しなのかもわからないです。というわけで、プリントアウトした「確定申告書第一表の原本」でいったん書類を提出することにしました。

2020年5月19日(火)
市役所の方からお電話でお話ししたいという旨のメールが届きました。後日、電話ではなしたところ収受日付印なしの控えでもOKだそうです。というか、原本だろうが控えだろうが確定申告書第一表であることがわかればOKのようなニュアンスでした。

申請書の配布先

申請書は岡山市及び申請先のホームページからダウンロードできます。以下は岡山市のホームページの申請書へのリンクです。私が申請した5月13日時点ではエクセル版の申請書があったのですが、16日現在リンクがなくなっています。とても便利なので再開してほしいところです。

PDF 申請書(PDF:349KB)

申請書の記入例と記入項目の説明が以下の「申請書記載要領 (PDF)」にあります。

PDF 申請書記載要領(PDF:1.5MB)

また、岡山市の本庁舎、各区役所、支所、地域センター及び、下記の各申請先で配布しています。

北区
北区役所 総務・地域振興課、御津支所、建部支所、 一宮地域センター、津高地域センター、高松地域センター、吉備地域センター、足守地域センター

中区
中区役所 総務・地域振興課、富山地域センター

東区
東区役所 総務・地域振興課、瀬戸支所、上道地域センター

南区
南区役所 総務・地域振興課、灘崎支所、妹尾地域センター、福田地域センター、興除地域センター、藤田地域センター、児島地域センター、福浜地域センター

申請書の郵送先

申請書の郵送先は「主たる事業所の所在地を管轄する商工会又は商工会議所」となります。

主たる事業所の所在地申請・問合せ先住所連絡先
御津地区、一宮地区、津高地区、上道地区、建部地区岡山北商工会〒709-2121 岡山市北区御津宇垣1630-1086-724-2131
吉備地区、高松地区、足守地区岡山西商工会〒701-0153 岡山市北区庭瀬488-6086-293-0454
藤田地区、妹尾地区、福田地区、興除地区、灘崎地区岡山南商工会〒701-0221 岡山市南区藤田564-131086-296-0765
瀬戸地区(旧瀬戸町)赤磐商工会 瀬戸支所〒709-0861 岡山市東区瀬戸町瀬戸91-15086-952-0323
商工会地区を除く岡山市内岡山商工会議所〒700-8556 岡山市北区厚生町3-1-15086-232-2266

さらに詳細な所管区域を示した表が「申請書記載要領 (PDF)」にあります。

PDF 申請書記載要領(PDF:1.5MB)

まとめ

私は「特別定額給付金」と「持続化給付金」をオンライン申請したのですが、そのせいもあって申請方法や申請に必要な書類なんかはだいたい理解しています。あと申請の流れも体感的にわかっているので、岡山市の「事業継続支援金のご案内(中小・小規模事業者向け)」の案内ページもだいたいわかるんですが、それでもわかりにくいですね。一言でいうと、

情報が1ページにまとまっていない。

同じ情報が複数のカ所にあったり、ある情報は特定のカ所にしかない、など。その点、国の「持続化給付金」のホームページのほうがわかりやすかったかなと思います。

個人事業主 (フリーランス・白色申告)での申請ですが、正直言うと自信はないのですが、受給対象であると思っていること、申請はタダなのでやって損はないかなと思っています。迷っている方はダメもとでも申請することをおすすめします。

また、申請期間は長いので余裕がある方は急がなくもいいと書いたのですが、対象となるとわかった場合は早いほうがいいです。改悪と申請や給付の遅れが発生するリスクがあるからです。改善もありえますが、私の経験上、あるとすれば改善よりも改悪の可能性のほうが高いです。「エクセルファイルの申請書」の件もしかりです。